資本主義と支配システム
09/03/2021
マルクスの経済学的諸見解について、その有効さの根拠と隘路を、行為論的社会学の方法により、明らかにした
本書は、一面、過去有効とされてきたマルクスの経済学的諸見解について、その有効さの根拠と隘路を、行為論的社会学の方法により、誰にでもわかる仕方で明らかにしてみせたものである。
読者は本書に、有史の支配の歴史を通して拡大し続けてきた人間の自由が、最後の桎梏である「国家」による支配をどう打ち捨てられるか、その方途の提示を見るであろう。その提示自体は科学ではない。
しかし、因果連関の科学は常に将来を予測することができる。人間にとっては、そのための「科学」の存在なのである。
マルクスが何を言おうと、あるいは資本主義を擁護する人間が何を言おうと、同様に、資本主義を否定したい人間が何を言おうと、世界の行く末は本書の記述どおりになる。
著者プロフィール
隈 栄二郎(くま えいじろう)
1953年生まれ。1979年、早稲田大学大学院(社会学専攻)中退。市井の研究者として行為理論に基づく社会学基礎理論の著述を続ける。
解釈的な行為論を排し、現実に生きている個人としての行為主体という視点を根拠として、行為、社会関係、社会運動、社会変動の各分野を統括する社会学を確立。
著書に『行為の集成─行為論的社会学基礎理論』(デジタルパブリッシングサービス、2011年)、『歴史としての支配─行為論的社会学応用理論』(合同フォレスト、2016年)、『「上部構造」の社会学─主体の意思と歴史過程』(合同フォレスト、2018年)がある。
書籍情報
著者:隈 栄二郎